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「工場みたいな物件でヘアサロンを営みたいんです。」そんな依頼を受け、工場物件を街中くまなく探しましたがなかなか見つからず。

「ここなんてどうでしょう。」オーナーに連れられた物件はなんと外壁をピンクに塗られた住居。
「これを工場っぽく？」

しかし建物を詳しく見てみると倉庫によくある鉄骨造。交差道路に面しており、立地は最高。駐車場も広い。「これ、いけんじゃない？」

鉄骨を生かすカタチで外装はトタンを貼り、アイアンの玄関ドアと掃き出し窓をデザインすることで工場っぽく。
インテリアは「モロッコ風に」という希望で、モロッコをモチーフにしたミックスインテリアで揃えました。

オープンより大盛況が続き、10年目には2階を改装。こちらも店舗デザインと工事を請け負いました。

オープンから17年。植えた玄関の植物は大きく行動範囲を広げ、小さかったオリーブの木も今では高く売れるほど立派に育ちました。

現在も変わらず予約が絶えない優良店になったのは、可愛い店もさることながら真面目で実直なオーナーの人柄によるものだと感心しています。