WORKS

まるで日本昔ばなしに出てくるような、趣のある素敵な山々に囲まれたとある集落。

ため池の多い香川県ならでは、ここもまた美しいため池のほとりに建つ立派な古民家。

改装前、台所に立つお母さんが話してくれました。「綺麗でしょ。この池に映る景色をお父さんと毎日眺めながら過ごしたのよ。」

先立たれたお父さんは、畑や大工など何でもこなす立派な人で。離れの小屋にはお父さんが作った素敵な囲炉裏が。

その囲炉裏小屋で「さて、どんな改装をしましょうか」と親戚のおじさん交えてよく話しましたね。

出した答えは「水面（みなも）に映る季節の情景を日々愛しめるような住居に。」テーマを『移ろう水鏡』としました。

お母さんが飼うワンちゃんがストレスを感じないよう、寝室の床をペット専用フローリングに。

その他の部屋には無垢のカバ材で和とも洋とも捉えられる独特の空気感に。

ハシゴで登っていた屋根裏部屋をロフトに改造できないかという依頼に応え、一部天井を解体し天井高を上げ、隔離されていた薄暗い屋根裏部屋を開放的なロフトへと改築。オリジナルで製作したアイアンの階段と手すりを設け、高い天井の広々としたロフト付きリビングへと変身させました。

元からあった襖や建具には極力手を付けず、必要最小限の工事と掃除で雑多な生活物が乱立した昔ながらのご自宅が見違えるほど美しく仕上がりました。

白を基調とした清潔感のあるキッチンから望む美しいため池。人の出入りが多いこのキッチンに、近所の友人の羨ましがる顔が目に浮かびます。

水面（みなも）に映る季節の移り変わりと共に。
家族・親戚・友人。さまざまな人たちとの思い出が交差する水鏡は家主の宝物に。