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香川県綾川町畑田、田園広がる長閑なロケーションに佇む築百年の古民家。
改装前は天井から青空が覗いており、家屋の軸（柱や梁）も歪んでいましたが、数ヶ月かけ無事修復。
古民家の風情を重んじ、土壁は一度取り壊し再発酵したのち再度塗り付けるなどしました。

経年の趣きを損なわぬよう、建具は全て中古のものを移設。内装材もなるべく新建材を使わずに昔からあるもので揃えました。
また、木造の古民家に対してわざと錆びさせた鉄を多用するなどし、素材のダイナミックさを潜在的に感じるよう仕掛けています。

家具は世界各地のものをセレクト。インテリアもトラディショナルなよくある古民家っぽくならないよう、国産の針葉樹は使わず、海外産の広葉樹を多用しました。さらには色彩を極力使わないことも意識。「色彩はお客様が運んでくる」という思想のもと、『映えさせたい主役はあくまでも「商品」であり「お客様」である』と店内のカラートーンを最小限に抑えています。

広い店内に対し、香川県ならではオーダー後お客様自らカウンターにカレーを取りに来てもらうセルフ形式を採用。お客様には田園をのんびり眺めながらくつろいでいただけるよう、ほぼ全ての座席が南に向けるよう工夫しています。

風の流れと光の陰影を意識し、まるで時代をタイムスリップしたような特別な体験をしていただけるような空間に仕上がりました。
年配の方から若者まで、現在も老若男女さまざまな方々に利用されています。